サムラホームの家づくり 公開日:2026.08.31 最終更新日:2026.08.31
岐阜で注文住宅を建てるなら知っておきたい耐震の話——耐震等級3は本当に必要か

この記事のポイント
耐震等級は住宅の地震への強さを示す指標のひとつですが、等級だけを見て安心してしまうと見落としが生まれます。地盤や接合部、経年劣化まで含めて確認することが、後悔しない家づくりにつながります。
- 熊本地震では、耐震等級3の住宅の約9割が無被害だった(国土交通省調査)
- 南海トラフ地震の30年以内発生確率は60%〜90%程度以上
- サムラホームは全棟で耐震等級3に対応し、制震ダンパーを採用
- 等級だけでなく、地盤調査・接合部の仕様・保証内容も契約前に確認したい
「耐震等級3って聞くんですけど、意味ないっていう話も見かけて。結局どっちなんですか」——サムラホームの見学会で、こう質問されたことがあります。SNSでも「耐震等級3の家でも被害を受けた」という投稿を見かけることがあり、何を信じればいいのか分からなくなる方は少なくないでしょう。カタログや営業トークで「耐震等級3」という言葉を聞くと安心してしまいがちですが、その数字が何を保証していて、何を保証していないのかを正しく理解している方は、実はそれほど多くありません。この記事では、岐阜で注文住宅を検討する方に向けて、耐震等級の意味を数字とともに整理し、等級だけでは測れない部分をどう確認すればよいかをお伝えします。
「耐震等級3」を選べば絶対に安心、というわけではない——まず知っておきたいこと
耐震等級とは、住宅性能表示制度によって定められた、地震に対する建物の強さを3段階で示す指標のことです。等級1は建築基準法が定める最低限の耐震性能、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度であることを検証した水準を指しており、数百年に一度発生するとされる極めて稀な大地震を想定して設定されています。
出典:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書をもとに整理
なぜ今、耐震性能を確認する必要があるのでしょうか。地震調査研究推進本部が2026年1月に公表した最新の長期評価によると、南海トラフ地震(M8〜M9クラス)の今後30年以内の発生確率は60%〜90%程度以上とされています。岐阜県は南海トラフ地震の想定震源域に近く、内陸直下型の断層帯地震のリスクも県が公表しています。
出典:地震調査研究推進本部「南海トラフの地震活動の長期評価」をもとに整理
地震は南海トラフのような海溝型だけの話ではありません。岐阜県自体も、1891年(明治24年)に発生した濃尾地震(マグニチュード8.0、震源は岐阜県美濃地方)という、日本の内陸直下型地震としては史上最大級の地震を経験した土地です。根尾谷断層帯をはじめとする濃尾断層帯は、地震調査研究推進本部の評価では直近の活動から時間が経っているため今後30年以内の発生確率は低いとされていますが、いずれも「大きな地震が発生し得る断層」であることに変わりはありません。海溝型・内陸直下型の両方のリスクと隣り合わせにある土地だという前提を、まず持っておく必要があります。
この数字を見て、あなたの家は震度7クラスの揺れに何度も耐えられる自信がありますか。「耐震等級3を取得している」という事実だけで安心してしまうと、実は見落としている部分があるかもしれません。次の章では、実際の地震で耐震等級がどう機能したのか、データで見ていきます。
熊本地震が教えてくれた、耐震等級3の効果——数字で見る被害の差
理屈だけでなく、実際の地震でどうだったのかを見てみましょう。2016年の熊本地震では、震度7の揺れが同一地域で2回観測されるという、過去に例のない被害が発生しました。国土交通省と建築研究所が設置した委員会が、この地震による木造住宅の被害を詳細に分析しています。
「住宅性能表示制度による耐震等級3(倒壊等防止)の住宅は新耐震基準の約1.5倍の壁量が確保されており、これに該当するものは、大きな損傷が見られず、大部分が無被害であった」(国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書より)
具体的な数字を見ると、この違いはより鮮明になります。建築基準法レベルの住宅301棟のうち無被害だったのは60.1%(181棟)でしたが、耐震等級3を取得した住宅16棟では87.5%(14棟)が無被害、残る2棟も軽微・小破にとどまり、大破・倒壊は1棟もありませんでした。母数が小さい調査ではありますが、等級による差は数字としてはっきり出ています。
もう一つ押さえておきたいのが、建築年代による差です。旧耐震基準(1981年5月以前)の木造住宅の倒壊率は28.2%だったのに対し、新耐震基準(1981年6月〜2000年5月)は8.7%、現行規定が適用された2000年6月以降は2.2%まで下がっています。耐震基準が更新されるたびに、建物の強さが底上げされてきたことがこの数字から読み取れます。私は、この推移こそが「耐震性能は感覚ではなく制度の積み重ねで確認するもの」だという何よりの証拠だと考えています。
耐震等級1・2・3、何がどう違うのか
耐震等級の違いを整理すると、次のようになります。
| 等級 | 耐震性能の目安 | 主な該当例 |
|---|---|---|
| 等級1 | 建築基準法と同水準(数百年に一度の地震で倒壊・崩壊しない程度) | 一般的な新築住宅の最低ライン |
| 等級2 | 等級1の1.25倍の力に耐える | 長期優良住宅の認定基準の一つ |
| 等級3 | 等級1の1.5倍の力に耐える | 消防署・警察署など防災拠点施設と同水準 |
等級2は長期優良住宅の認定要件の一つにもなっており、フラット35など住宅ローンの金利優遇の条件に含まれる場合があります。等級3はさらに一段階上の水準で、消防署・警察署といった災害拠点施設と同等の強さを求める設計です。数字の差はわずか0.25倍・0.25倍に見えるかもしれませんが、必要な壁の量や構造計算の精度は等級が上がるほど厳しくなります。
「でも耐震等級3の家でも地震で被害を受けたと聞いたことがあります」という声もあるでしょう。実際、SNSでもそうした投稿を見かけます。これについて、先ほどの国交省の分析はもう一歩踏み込んだ答えを出しています。新耐震基準導入以降に倒壊した建物のうち、状況が把握できたもの77棟を調べたところ、被害要因の大半(73棟)が「現行規定の仕様となっていない接合部」、つまり柱と土台をつなぐ金物の施工が不十分だったことに起因していました。等級そのものが機能しなかったのではなく、等級を取得していても、それを支える施工の精度が伴っていなければ効果が発揮されない、ということです。等級の数字だけを見て安心するのではなく、「その等級を実現する施工がきちんとされているか」まで確認する視点が必要だと私は考えています。
耐震等級だけでは測れない、家の強さを左右するもの
耐震等級は建物そのものの強さを示す指標ですが、実際に家が地震にどう耐えるかは、それ以外の要素にも大きく左右されます。たとえるなら、耐震等級は健康診断でいう体力測定の数値のようなものです。数値が高くても、日々の生活習慣や体調管理が伴っていなければ、本来の体力を発揮できないのと同じことが住宅にも起こります。
まず地盤です。どれだけ耐震等級の高い建物を建てても、地盤が軟弱であれば不同沈下や液状化のリスクは別に存在します。先日、土地を先に決めていたお客様から地盤調査の結果について相談を受けたことがありました。想定より軟弱な地層が見つかり、地盤改良工事が必要になったケースです。建物の耐震性能とは別に、地盤調査を必ず実施し、その結果に応じた基礎・改良工事を行うことが前提になります。
次に、壁の配置バランスです。耐力壁の量が同じでも、建物の四隅や一方向に偏って配置されていると、ねじれる力が働きやすくなります。壁量計算だけでなく、配置のバランスまで検討した設計かどうかは、図面を見ただけでは分かりにくい部分です。担当者に「この家の耐力壁は、平面上でどのようにバランスを取っていますか」と一言尋ねてみるだけでも、その会社が構造をどこまで丁寧に検討しているかが見えてきます。
そして、先ほど触れた接合部の施工精度と、制震ダンパーのような揺れを吸収する仕組みの有無。地震は一度で終わるとは限らず、本震の後に大きな余震が繰り返し起こることもあります。倒壊しない強さに加えて、繰り返しの揺れに耐える粘り強さがあるかどうかも、実は見落とされがちな視点です。
最後に、経年劣化です。新築時に耐震等級3を取得していても、シロアリ被害や木部の腐食が進めば、当初の強度は維持できません。定期点検とメンテナンスの体制が整っているかどうかは、耐震性能の「その後」を左右する要素だと言えます。
もう一つ、見落とされがちなのが間取りとの兼ね合いです。大きな窓や吹き抜け、リビング階段は開放感を生む一方で、耐力壁を配置できる面積を減らします。「明るく開放的なリビングにしたい」という要望と「耐震性能を確保したい」という要件は、設計の初期段階から両立を検討しなければ、どちらかを後で妥協せざるを得なくなることがあります。開放的な間取りを希望する方ほど、構造計算に強い設計者に早い段階で相談しておくべきだと私は考えています。
サムラホームの家づくりが耐震にどう向き合っているか
サムラホームでは、注文住宅「ジャスタ」「リュッカ」、規格住宅「PITTE」のいずれも耐震等級3に対応できる仕様で建てています。コスパ重視で高性能を追求する「ジャスタ」、自然素材の北欧テイストを軸にした「リュッカ」、価格帯をあらかじめ絞った「PITTE」と、それぞれコンセプトは異なりますが、耐震壁・剛床工法・耐震金物を採用し、建物のねじれに対する強さを確保したうえで、制震ダンパーによって地震の揺れを吸収する構造としている点は共通しています。デザインや価格帯で選んだとしても、耐震性能の土台は妥協しないという考え方だと私は理解しています。
保証面では、構造・防水について初期保証20年、5年ごとの点検と10年ごとの有償メンテナンスを条件に最長60年まで延長可能で、保証額は最大2,000万円です。地盤については最長20年の保証があり、不同沈下が生じた場合の原状回復に対応しています。点検は入居後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年のタイミングで実施し、その後は5年ごとに連絡する体制を整えています。
新築時にどれだけ高い耐震等級を取得しても、10年後、20年後にメンテナンスが行われていなければ、木部の劣化や金物の緩みによって当初の強度は徐々に失われていきます。建てた後の粘り強さまで含めて考えるなら、こうした点検・保証の仕組みがあるかどうかも、施工会社選びの判断材料になるはずです。あなたが今検討している工務店は、建てた後何年先まで点検に来てくれるでしょうか。契約前に一度、確認してみてください。
TEL:0581-36-2453(受付時間 8:00〜17:00)
1991年の創業以来、岐阜市・山県市・関市・揖斐郡大野町エリアで施工からアフター管理まで一貫して手がけてきた実績をもとに、耐震性能について不安な点があれば見学会や相談会でお答えしています。
契約前に確認しておきたい耐震のチェックポイント
ここまで見てきたように、耐震性能は等級の数字だけで語れるものではありません。実際に打ち合わせの場で何を質問すればよいか、契約前に確認しておきたい点を整理すると、次のようになります。
- 耐震等級の証明(住宅性能評価書の交付を受けているか、それとも「等級3相当」という自己申告にとどまるか)
- 構造計算の方法(壁量計算のみか、より精緻な許容応力度計算まで行っているか)
- 地盤調査の実施有無と、調査結果に応じた基礎・改良工事の提案内容
- 制震・免震装置の有無と、標準仕様かオプションか
- 構造・地盤の保証年数と、保証を維持するための点検・メンテナンス条件
「耐震等級3相当」という表現には注意が必要です。実際に第三者機関の住宅性能評価を受けているのか、それとも設計上の計算だけで「相当」を名乗っているのかで、証明の重みが変わります。見積もりや仕様書の段階で、この違いを担当者に確認しておくと安心です。
住宅性能評価書を取得する場合、費用と手続きの手間が発生します。それでも私は、この一手間を惜しまないほうがよいと考えています。理由は単純で、第三者機関の評価は、施工会社の自己申告とは違い、契約後にトラブルになった際の客観的な根拠になるからです。予算が限られている場合でも、評価書の取得可否だけは早い段階で確認しておく価値があります。地震保険の割引適用にも評価書が必要になるケースがあるため、後から「取得しておけばよかった」と後悔しないよう、見積もり段階で組み込んでおくと安心です。
よくある質問(FAQ)
耐震等級3は本当に必要ですか。等級1では不十分なのでしょうか
等級1でも建築基準法の最低基準は満たしています。ただし熊本地震の分析では等級3の住宅の無被害率が明確に高かったことから、繰り返しの大きな地震に対する余力という意味で、等級3を選ぶ価値は十分にあると私は考えています。地盤条件や予算とのバランスで判断してください。
耐震等級3の家でも地震で被害を受けたという話を聞きました。本当ですか
熊本地震の分析では、新耐震基準以降に倒壊した建物の多くが、接合部の施工不備を原因としていました。等級そのものが機能しなかったのではなく、施工精度が伴っていなかったケースが大半です。等級の証明とあわせて、施工体制や検査の仕組みも確認してみてください。
耐震等級はどこで確認できますか
住宅性能評価書に記載されています。第三者機関の評価を受けていない場合は、設計図書に添付された構造計算書や、施工会社が発行する証明資料で確認してください。「等級3相当」という表現の場合は、第三者評価の有無を担当者に確認しましょう。
耐震等級が高いと地震保険は安くなりますか
耐震等級に応じた地震保険料の割引制度があります。割引率は保険会社や契約内容によって異なるため、契約前に保険会社または担当代理店に確認してください。
制震・免震と耐震の違いは何ですか
耐震は建物自体の強度で揺れに耐える考え方、制震はダンパーなどの装置で揺れを吸収する考え方、免震は建物と地盤の間に免震装置を設けて揺れを伝えにくくする考え方です。一般的な戸建て住宅では、耐震性能をベースに制震装置を組み合わせる仕様が多く見られます。
地盤が心配です。どのタイミングで調査すればよいですか
土地の契約前、または建築確認申請の前に地盤調査を実施するのが一般的です。調査結果によっては地盤改良工事が必要になり、追加費用が発生する場合があります。土地探しの段階から施工会社に相談しておくと、資金計画に反映しやすくなります。
中古住宅や築年数の古い実家の耐震性を調べる方法はありますか
耐震診断という方法があります。1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた建物は特に確認しておきたいところです。自治体によっては耐震診断や耐震改修に対する補助制度を設けている場合があるため、お住まいの市区町村の窓口に確認してください。
耐震等級と断熱性能、どちらを優先すべきですか
どちらも安全性と快適性に関わる要素であり、優劣をつけるものではありません。ただし命に関わるという点では耐震性能を土台として先に確保し、そのうえで断熱・気密性能を積み上げていく考え方が現実的だと私は考えています。両方を標準仕様に含めている工務店であれば、この優先順位を意識せずに検討を進められます。
新築時に耐震等級3を取得しなかった場合、後から性能を上げることはできますか
構造そのものを大きく変える改修は容易ではありませんが、耐震診断の結果に応じて、壁の補強や金物の追加などの耐震改修を行うことは可能です。ただし新築時に構造計画へ組み込むほうが、費用対効果の面でも施工の面でも合理的です。迷っている場合は、新築の設計段階で担当者に一度相談してみてください。
まとめ:耐震性能は「等級」と「土地」の両方で決まる
耐震等級は、住宅の地震への強さを客観的に示す重要な指標です。熊本地震の分析が示すように、等級3の住宅は実際の大地震でも高い割合で無被害を保っています。ただし、等級の数字だけを見て安心するのは早計です。地盤の状態、壁の配置バランス、接合部の施工精度、そして建てた後の点検体制まで含めて確認することが、後悔しない家づくりにつながります。
岐阜で注文住宅を検討する際は、南海トラフ地震や内陸直下地震のリスクが県内にも存在することを踏まえ、耐震等級の証明方法と、それを支える施工・保証の体制の両方を担当者に質問してみてください。数字の裏側にある「なぜその等級が実現できているのか」を聞くことが、信頼できる工務店を見極める近道になるはずです。
家は一度建てたら数十年、場合によっては次の世代まで住み継がれていくものです。耐震等級という一つの数字にとどまらず、地盤・施工・保証という土台まで含めて確認する手間を惜しまないことが、結果として家族の暮らしを長く守ることにつながると私は考えています。見学会や相談会では、こうした耐震性能に関する疑問にも一つずつお答えしています。
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