サムラホームの家づくり 日記 公開日:2026.08.06 最終更新日:2026.08.07
岐阜で二世帯住宅を建てる前に知っておきたいこと|間取りタイプ・後悔しないポイント・補助金

最終更新日:2026年8月6日
「親と一緒に住むのは決まっているけれど、どこまで一緒がいいのか分からない」。二世帯住宅の相談は、たいていこの一言から始まります。同居か、近居か。キッチンは一つにするか、二つにするか。決めることが多すぎて、間取りの前に距離感で立ち止まってしまう方が少なくありません。この記事では、岐阜市・山県市・関市・揖斐郡大野町で注文住宅を検討する方向けに、二世帯住宅の間取りタイプの選び方、よくある後悔とその対策、費用の考え方、使える補助金までを整理します。
この記事のポイント
二世帯住宅で後悔しないためには、「どこまで一緒に暮らすか」という距離感を間取りタイプとして最初に言語化し、音・動線・収納の3点を具体的に詰めることが欠かせません。距離感を決めないまま間取り図だけを詰めていくと、後から「思っていたのと違う」がまとめて噴き出します。
- 二世帯住宅には完全同居型・部分共用型・完全分離型の3タイプがあり、家族の距離感に合わせて選ぶことが出発点になる
- 内閣府の統計でも、三世代同居を前提としない世帯構造への転換が進んでおり、「型」を選び直す家族が増えている
- 延床面積や水まわりの数が増える分、単世帯の注文住宅より総額は上がりやすく、資金計画は早い段階から
- 国の補助制度と岐阜市の助成は、二世帯住宅の住戸数・性能・世帯要件まで確認して検討する

「同居」と「近居」の間で迷ったら——二世帯住宅、まず決めたい距離感
結論から言うと、二世帯住宅の間取り検討は「完全同居型」「部分共用型」「完全分離型」という3つの型のどれに近づけたいかを、家族全員で言葉にするところから始まります。土地探しの前段階で「親と一緒に住むのは決まっているけど、どこまで一緒がいいのか分からなくて」と切り出される方は、私たちの現場でも本当によく見かけます。
3つの型はそれぞれ、共有する場所の範囲で分かれています。完全同居型は玄関からキッチン、浴室まで基本的にすべてを共有する形。部分共用型は玄関やお風呂など一部だけを共有し、キッチンやリビングは世帯ごとに分ける形。完全分離型は玄関から水まわりまで完全に分け、内部でつながる扉があるかどうかも選択肢になる形です。あなたの家族なら、この3つのうちどれに一番近いイメージを持っていますか。

| タイプ | 共有する範囲 | 向いている家族 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 完全同居型 | 玄関・LDK・浴室すべて | 家事・育児をともに担いたい家族 | 生活時間のずれがそのまま摩擦になりやすい |
| 部分共用型 | 玄関・浴室など一部のみ | 適度な距離感を保ちたい家族 | 共有部分の使い方ルールを事前に決めておく必要がある |
| 完全分離型 | 基本的に共有なし | プライバシーを優先したい家族 | 延床面積・設備数が増え、費用が上がりやすい |
私は、この3タイプのどれが正解ということはないと考えています。大切なのは、いま同居を考えている理由——介護のためなのか、子育て中の助け合いのためなのか、将来の空き家対策なのか——に応じて型を選ぶことです。理由が変われば、選ぶべき距離感も変わります。
もう一つ、見落とされがちなのが玄関の配置です。玄関を一つにするか二つにするかは、間取りタイプを決める以上に暮らしの印象を左右します。玄関を共有すると顔を合わせる機会が自然と増え、来客対応も一本化できる一方、生活リズムが違う世帯同士では靴や荷物が重なって手狭になりがちです。玄関を分けると独立性は高まりますが、その分だけ延床面積と外構費が増えます。「毎日どちらの玄関から出入りしたいか」を具体的にイメージしてみると、答えが見えやすくなります。
岐阜で二世帯住宅を選ぶ家族が向き合っていること——数字で見る家族のかたち
結論として、二世帯住宅は「昔ながらの当たり前」ではなく、いま改めて選び取られている暮らし方だと捉えたほうが実情に近いと考えています。内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の者がいる世帯は令和5年時点で2,695万1千世帯、全世帯5,445万2千世帯の49.5%を占めています。そのうえで、昭和55年には三世代世帯が世帯構造の中で最も多かったのに対し、令和5年では夫婦のみの世帯と単独世帯がそれぞれ約3割を占める構造に転換したと記されています。
出典:内閣府「令和7年版高齢社会白書」をもとに整理
この数字が意味するのは、三世代が同じ屋根の下で暮らすことが「多数派」だった時代から、「選択肢の一つ」に変わったということです。だからこそ、いま二世帯住宅を選ぶ家族は、なんとなく同居するのではなく、「なぜ一緒に住むのか」を意識的に決めた上で家づくりに臨んでいます。あなたのご家族が二世帯住宅を選ぶ理由は、何でしょうか。
私たちが山県市・岐阜市エリアで相談を受ける中でも、同居の理由は世帯によって驚くほど違います。親の介護を見据えて早めに動く方もいれば、共働きで子育ての手を借りたい方、実家の土地を活かしたい方もいます。理由が違えば、選ぶべき間取りタイプも自然と変わってくるものです。
「音」「気配」「収納」——二世帯住宅でよくある後悔と間取りの工夫
二世帯住宅の間取りで後悔しやすいポイントは、実は集約すると3つに絞られます。音の問題、生活の気配、そして収納の重複です。完成見学会で「うちも二世帯を考えているんですが、実際どんな失敗が多いんですか」と質問されることが多く、正直にお答えするようにしています。
一つ目は音の問題です。1階の寝室の真上に2階の浴室やトイレを配置してしまうと、夜間の水音が響いて眠りを妨げることがあります。これは設計段階で水まわりの位置を意識するだけで防げる話で、間取り図を見るときに「上下階で何が重なっているか」を確認する習慣をつけておくと安心です。
二つ目は生活の気配です。完全同居型・部分共用型では、玄関やリビングの動線が交差しやすく、「顔を合わせたくないときに合わせてしまう」というストレスが積み重なります。回遊動線を取り入れて、あえて顔を合わせずに移動できるルートを一本用意しておくだけでも、暮らしの気疲れは変わってきます。二世帯住宅は、一つの家の中に二つの生活時間が流れる場所です。時間帯がずれる家族同士がぶつからずに動けるかどうかは、間取りの工夫にかかっています。
三つ目は収納です。キッチンや洗面台を分けると、そのぶん収納も分散します。「玄関の靴箱が足りない」「季節家電をしまう場所がない」という後悔は、完成してから一番よく聞く声の一つです。設計段階で世帯ごとの持ち物量を具体的に洗い出しておいてください。

二世帯住宅は費用がどう変わるか——延床面積と設備の重複を考える
二世帯住宅の総費用が単世帯の注文住宅より上がりやすい理由は、単純です。延床面積が広がり、水まわりの設備数が増えるためです。完全分離型でキッチン・浴室・トイレをそれぞれ2セット用意すれば、その分だけ設備費と施工の手間が上乗せされます。反対に、完全同居型で水まわりを1セットに集約すれば、設備費の増加は抑えられます。
具体的な総額は、土地の有無や間取りの規模によって大きく変わるため、この記事で一律の金額を示すことは避けます。目安を知りたい方は、間取りタイプごとのプラン図を工務店に依頼し、坪単価ではなく総額で見積もりを比較する。それが私の考える現実的な進め方です。二世帯住宅は延床面積が大きいぶん坪単価が下がって見えることがありますが、判断材料にすべきは総額です。
もう一つ意識しておきたいのが、性能を上げるほど工事費も上がるという関係です。断熱等級やZEH水準を満たす仕様を選ぶと、延床面積が大きい二世帯住宅ではその分の上乗せ額も大きくなります。ただし後述する補助金や減税は、性能の高い住宅ほど手厚くなる設計になっているため、初期費用と補助・減税をセットで比較する視点を持っておくと判断しやすくなります。
費用と関わって、もう一つ検討しておきたいのが登記の方法です。二世帯住宅では単独登記・共有登記・区分登記が検討されますが、区分登記ができるか、税の軽減や住宅ローン控除の対象になるかは、住戸の独立性、所有形態、各制度の要件によって異なります。将来の相続や売却にも関わるため、契約前に税理士・司法書士・金融機関へ相談して家族の方針に合う方法を確認してください。
岐阜市の助成と国の補助制度を確認する
二世帯住宅の資金計画では、計画地の自治体と国の制度を個別に確認します。岐阜市の「まちなか居住支援事業(岐阜市中心市街地新築住宅取得助成事業)」は、まちなか居住重点区域内の新築住宅を取得して居住する2人以上の世帯などが対象です。令和8年度の助成額は住宅ローン借入額の10%以内で、市内転居は20万円/戸、市外からの転入者を含む世帯は50万円/戸が上限です。子育て世帯には、子どもの人数に応じて20万〜40万円/戸が加算されます。性能・面積・市税などの要件もあるため、申請前に必ず公式案内を確認してください。
出典:岐阜市公式ホームページ「まちなか居住支援事業」をもとに整理
注意したいのは、この制度が「まちなか居住重点区域内」に限定される点です。親の土地に建て替えるケースなど、区域外での二世帯住宅を検討している方は対象外になる可能性があるため、計画の早い段階で岐阜市に区域を確認しておく必要があります。
国の「みらいエコ住宅2026事業」は、登録事業者と契約し、性能・着工時期・面積などの要件を満たす新築が対象となる場合があります。地域区分6に該当する岐阜市・山県市・関市では、GX志向型住宅は110万円/戸、長期優良住宅は75万円/戸、ZEH水準住宅は35万円/戸が基本額です。GX志向型住宅は全世帯、長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯または若者夫婦世帯が対象です。二世帯住宅は、世帯間を行き来できるかなどで1戸・2戸の扱いが変わるため、補助額を前提にせず、契約前に登録事業者へ確認してください。
出典:みらいエコ住宅2026事業「注文住宅の新築」、新築注文住宅のFAQをもとに整理
親から子への資金援助を予定している場合は、住宅取得等資金の贈与税の非課税特例も確認してください。2026年12月31日までの贈与について、受贈者や住宅の要件を満たす場合、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円までが非課税限度額です。新築の省エネ等住宅には、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上などの要件があります。贈与の時期や持分の設定で扱いが変わるため、実行前に税理士へ相談してください。
出典:国税庁「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」をもとに整理
サムラホームが手がけた二世帯住宅——ジャスタでの実例から
私たちサムラホーム(株式会社佐村建設)は、岐阜県山県市を拠点に1991年創業以来、岐阜市・山県市・関市・揖斐郡大野町で家づくりを続けてきた工務店です。注文住宅「ジャスタ」「リュッカ」、規格住宅「PITTE」の設計・施工からアフター管理まで自社で一貫対応しています。
これまでにジャスタブランドで手がけた二世帯住宅の一つが、「吹き抜けとオープンキッチンの家」と名付けたH様邸です。二階建ての二世帯住宅で、吹き抜けを介して1階と2階の気配がゆるやかにつながる設計にしています。もう一つの「家事楽の家」S様邸では、南面道路を活かしてすべての居室を南向きに配置し、リビングから洗面脱衣所・浴室へ直接アクセスできる動線を組みました。大容量収納を随所に設け、長期優良住宅の基準を満たす断熱・耐震・省エネ性能も備えています。
どちらの事例にも共通しているのは、間取りを決める前にご家族と何度も打ち合わせを重ね、「どこまで一緒に暮らしたいか」を丁寧にすり合わせたという点です。二世帯住宅は、家族の数だけ正解の形が違います。
TEL:0581-36-2453(受付時間 8:00〜17:00、第1・3土曜・祝日休)

建築会社選びで確認しておきたい3つの視点
二世帯住宅は、単世帯の注文住宅よりも打ち合わせの回数と関わる家族の人数が増えます。建築会社を選ぶときは、価格や工法だけでなく、次の3つの視点を持っておくと判断しやすくなります。
- 世帯分離の設計提案力——完全同居・部分共用・完全分離のいずれにも対応した施工実績があるか、間取り図で音や動線の配慮まで具体的に説明してくれるか
- 家族間の意見調整に付き合う姿勢——親世帯・子世帯それぞれの要望が食い違ったとき、打ち合わせの場でどちらか一方に偏らず整理してくれるか
- 完成後のアフター体制——二世帯住宅は将来的に片方の世帯が空くケースもあるため、リフォームや空き家管理まで相談できる会社かどうか
私たちサムラホームは、建築士事務所登録・宅地建物取引業免許を持ち、アフター管理・空き家管理まで自社で対応しています。将来、親世帯の部分だけを使い方を変えたいというご相談にも、建てた後まで付き合える体制で応えられることが強みだと考えています。
見学会や打ち合わせの場では、間取り図だけでなく「登記はどうする予定ですか」「補助金の対象区域に入っていますか」といった実務的な質問を投げかけてくれる会社かどうかも、判断材料にしてみてください。デザインの提案力はどの会社も磨いていますが、税制や制度まで含めて伴走してくれるかどうかは、実際に打ち合わせを重ねないと見えにくい部分です。
よくある質問(FAQ)
二世帯住宅と、隣同士に二戸建てる方法はどう違いますか?
二世帯住宅は一つの建物内で世帯を分ける形、二戸建てるのは敷地内に独立した建物を2棟建てる形です。二世帯住宅は建築費・土地面積を抑えやすい一方、二戸建てはプライバシー面での独立性が高くなります。同じ敷地でどちらが現実的かは、土地の広さと予算次第で変わります。
二世帯住宅の間取りで一番後悔しやすいポイントは何ですか?
音・気配・収納の3つです。特に水まわりの上下配置による音の問題は、住み始めてから気づくケースが多いため、間取り図の段階で上下階の配置を必ず確認してください。
二世帯住宅は必ず費用が高くなりますか?
延床面積と設備数が増える完全分離型は総額が上がりやすい一方、水まわりを共有する完全同居型は増加を抑えられます。型の選び方次第で費用の伸び方は変わるため、複数タイプでプランを比較してから判断してください。
親の土地に二世帯住宅を建てる場合、注意点はありますか?
岐阜市のまちなか居住支援事業のように、対象エリアが「まちなか居住重点区域内」に限定される制度もあります。親の土地が対象区域に入るかどうかは、計画の早い段階で市の窓口に確認しておくと安心です。
完全分離型でも補助金は使えますか?
完全分離型でも対象となる可能性はあります。みらいエコ住宅2026事業では、世帯間を内部で行き来できるかなどにより、1戸の戸建住宅として扱うか、2戸の共同住宅として扱うかが変わります。各住戸の面積、契約者、性能、事業者登録などの要件を満たすかを、契約前に確認してください。
将来、親世帯の部分だけを賃貸や別用途に変えることはできますか?
完全分離型は、玄関や水まわりが独立していれば将来の用途変更を検討しやすい設計です。ただし賃貸化や別用途への転用には、建築基準法・契約・住宅ローン・補助金の財産処分制限などの確認が必要です。検討段階で将来の使い道を設計者と金融機関に伝え、必要な手続きを確認してください。
二世帯住宅の打ち合わせには、親世帯・子世帯どちらも同席したほうがいいですか?
できる限り両世帯で同席してください。生活時間や収納量の感覚は世帯ごとに違うため、間取りの細部を決める打ち合わせに両方が関わることで、住み始めてからのズレを減らせます。
二世帯住宅の登記は、単独・共有・区分のどれを選べばいいですか?
同居の理由、資金の出し方、将来の相続方針によって選び方が変わるため、一律の正解はありません。区分登記の可否や税・住宅ローン控除の扱いは、住戸の独立性と各制度の要件で変わります。契約前に税理士・司法書士・金融機関へ相談し、家族の将来設計に合わせて決めてください。
まとめ:距離感を「間取り」で設計する
二世帯住宅は、完全同居型・部分共用型・完全分離型という3つの距離感の中から、家族が同居を選んだ理由に合わせて型を選ぶところから始まります。音・気配・収納という3つの後悔ポイントを間取り段階でつぶし、延床面積の増加を見越した資金計画を早めに立てる。さらに計画地の自治体制度と国の補助を、区域・住戸数・性能・世帯要件まで確認する。この4つを押さえれば、二世帯住宅の計画は着実に前に進みます。
間取りタイプ・後悔対策・資金計画・登記の方法。どれも一人で決め切れるものではなく、家族で何度も話し合いながら形にしていくテーマです。焦って結論を急ぐよりも、住宅会社との打ち合わせを重ねながら、少しずつ距離感をすり合わせていくほうが、結果的に納得できる家に近づきます。
「どこまで一緒に暮らすか」という問いに、一度立ち止まって向き合ってみませんか。私たちサムラホームは、山県市を拠点に岐阜市・関市・揖斐郡大野町で、ご家族それぞれの距離感に合わせた二世帯住宅づくりに対応しています。創業から35年以上、地域で家を建て続けてきた工務店だからこそ話せることもあります。まずは無料相談会で、ご家族の状況をお聞かせください。
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